ブログ『パレオな男』で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続けている、鈴木祐さんの書籍です。
著者欄によると、出版社勤務の経験があり、600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、独立した現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手掛けているそうです。
彼の特徴的なところは、論文を大量に読み、エビデンスを重視しており、ブログでは自身の身体で実験し、発信しているところだと思っています。
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本書では現代人特有の症状に注目している
鬱病、肥満、散漫な集中力、慢性疲労、モチベーションの低下、不眠、弱い意志力など、一見バラバラのように見える問題も、根っこまで下りてみれば実は同じもの。すべては一本の線でつながっています。
これは書籍紹介の一文です。
確かにこれらは、現代病のように思えます。
そして、現代病の予防や改善には、この一冊で十分に太刀打ちできそうです。
本書は、
- 文明病
- 炎症と不安
- 腸
- 環境
- ストレス
- 価値
- 死
- 遊び
の、8章で構成されています。
Amazonのなか身!検索では、それぞれの更に詳しい項目まで見ることができますよ。
当記事では8項目のなかから、”不安”に着目して本の紹介をしていきます。
”ぼんやりした不安”を解消する方法が載っていた!!
以前、当ブログで書いたこんな記事
不安の理由を知ることが大事なのは何故?-芥川龍之介は「漠然とした不安」でこの世を去ったんだよ
不安は、人に絶望を与えるものであり、心身を蝕みます。
本書では、「ぼんやりした不安」と「はっきりした不安」の違い、慢性的な不安がどのように有害なのかについて記述されています。
「ぼんやりした不安」について、芥川龍之介がやはり紹介されていました(笑)。
これは今日の私たちへの警鐘ですよね。
ぼんやりとした不安は、鬱病から自殺へと進む確率が高い「死に至る病」
不安はかつて、危険を知らせるアラームとしての役割を持って、存在していました。本来、重要で大切な機能だったはずですが、現代においてはさほど必要なく、更にアラームが作動しやすい環境となっています。
この、アラームが鳴りっぱなしの状態が、「ぼんやりした不安」であり、人間は放っておくと、ネガティブな感情に傾いていってしまうのです。
ぼんやりした不安を解消するには、未来を今に近づける
‐引用.『最高の体調』より
自己連続性があれば、ぼんやりした不安は薄れていく、と説明は続きます。
未来の感覚が遠いと、先の見えない不安が生まれるのです。
また価値観の多様化は、未来をぼんやりしたものに変えてしまいます。
未来に複数の可能性があるせいで、将来のイメージがぶれ、自己同一性が生まれにくくなります。
つまり価値観が明確な人ほど、未来を今に近づけることができ、不安に脅かされずに生きていける、というわけです。
書籍はさらに、自分の価値観を見出す方法についても続きます。
まとめ
思い返せば私も、不安の強い人生を送ってきましたが、「上手くいこうが行くまいが、こんな風に生きる。それが私の求めるもの」と決めた頃から、精神が安定してきたように思います。
人生がクソゲーだったとしても、神ゲーの面白さを生かすことはできる
改めて理論化してくれ、更に良い方法を提示して、知らなかった発見もたくさんあり、本当に良い書籍でした。
定期的に見返して、今の自分を確認していくつもりです。
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こんなに有益な健康書を、かつて読んだことがありません。
紹介した部分はほんの10ページ分ほど。
このブログを読んでくださっている方には、きっと必要で、人生を変えうる本だと思います。
ぜひ直接お手に取って、読んでみることをお勧めします。
